
愛は要らないから…
第9章 恋愛感情
「名前なんて言うの?」
再びノートの切れ端が俺の前に出されると
そう書いてあった
そっか
俺は自己紹介されたけど
荒井は当然俺の事知らないんだよな
「神谷秋。かみやあきって読むよ!」
「じゃあ、秋くんって呼んでもいい?」
別に呼び捨てでもいいんだけどな
俺が返事を書いて渡すと
そう返ってきて複雑な気分になった
なんか、考えすぎかもしれないけど
くん付けって子供っぽくてあまり好きじゃないんだよな
あだ名であっくん
とかならまだいいんだけどね…
だから自分も、他人の事は呼び捨てなのが多い
既に隣にいるこいつの事も荒井って
声に出して呼んだことはないけど、自分の心の中で呼んでたし
まあ、人それぞれ呼びやすさはあるし
初対面で呼び捨てでもいいって言われても
逆にそういうの苦手って思う人もいるだろうから
うん、ここはイエスマンでいこう
「秋くんでいいよ。
俺は荒井って呼んでいい?」
「うん!もちろん!よろしくね、秋くん」
