
アップルパイと君の隣で
第17章 メールを送るには
「佳奈ちゃん、おはよう」
「あ、羽山さんおはようございます。そちらは... 」
仕事場に入るといつも通り挨拶を交わして微笑む。
すると、羽山さんの隣、いつもの風景の中に見慣れない少女がいた。
真っ白な肌にくりっと大きなぱっちり二重の瞳、桜色の唇にしっかり通った鼻筋の整った顔立ちをした美少女だ。
「こちらは今日の撮影一緒の森下愛奈ちゃん。今日が初日の新人ちゃんだから佳奈ちゃんよろしくね」
新人さんだったのか。道理で全く見覚えがないわけだ。
ストレートの艶のある黒髪が先輩を思わせ、綺麗だなとしばし見とれる。
年は17、8くらいだろうか。
背丈は私と同じくらいだが、バランスがよくグラマーな体型をしている。
グラビア界の中でもなかなかの美人だと思った。
仕事的に言えば、強敵現るって感じだ。
「初めまして松浦佳奈です。よろしくお願いします」
挨拶をして微笑んで見るが、全く返事が返ってこない。
と言うか固まっている。
