
アップルパイと君の隣で
第17章 メールを送るには
[佳奈サイド]
好き。好き。大好き。
こんなに溢れて止まらないのは何でだろう... ?
理由の無い好きが押し寄せる度に不安で仕方ない。
先輩の笑顔が好きだとか、優しいところが好きだとか...。
本当の事なのに何を言ってもこじつけのように思えてしまう。
それくらい好き。
先輩が先輩であるのならどんな先輩でも堪らなく好きなのだ。
だから、もし... 人生にもしがあったとしても先輩だけは変わらずに愛している自信がある。
なんて... こんな不確定な愛だけにすがって生きる生き方が正しいのかなんて今頃になって思いだす。
それはきっと前より臆病になっているからで。
失うものがなかったあの頃とは違う。
絶対に失いたくないもの、失っちゃ駄目なものが出来てしまったから。
先輩とのこの生活を守る為ならきっと何だってしてしまう。
