
アップルパイと君の隣で
第16章 あまい思い出
「大丈夫ですよ。無理矢理襲ったりしないんで安心して下さい」
「え?うん...」
不安そうな顔でもしていただろうか?
少し見当違いな事を言われて戸惑う。
「先輩。今度の休みデートしませんか?」
「えっ?」
これまたいきなりな話転換だ。
この子の事は分かってきたつもりだったんだけど...そんな簡単な物じゃなかったらしい。
うーん。難しい。
まだまだ時間がかかりそうだ。
「駄目ですか…?」
「良いけど…」
別に予定もないし、と佳奈の提案に頷く。
「良かったです💕」
「っ..///」
私の返事に佳奈は優しく微笑んでキスを落とす。
「先輩。好きです」
そんな佳奈に違和感を感じる。
今までの必死に求めて来る感じとは違う。
不安...という物とも少し違うような...?
何者とも言えない感情が見え隠れする。
考えすぎだろうか?
