天気予報の恋人
第6章 chapter 6
車に着いたら、先生がにっこりと
こっちを見て笑ってくれた
「和也くん、1週間元気だった?」
本当はあんまり元気じゃなかったけど
心配かけたくないから
頷いて見せる
でも
…先生にはすぐに見抜かれてたみたいだった
「かず、乗って?」
まーくんに促されて、車に乗り込む
当然のように、隣に座ったまーくんが
今度は僕の手を
やっと、ギュッてしてくれた
それだけなのに、嬉しくて
…だけど、さっきまでの
少し冷たかった態度を思い出して
ちょっとだけ、泣きそうになった
でもね
僕だって、男なんだ
強くならなきゃいけないんだよね
「今日は、リーダー迎えに寄るから」
先生が運転しながらチラッとルームミラーから、後ろを見た
「あ、そっか。明日の事?」
まーくんが答える
「うん。一緒に行くし…潤くんの事、簡単に伝えといた方が良いからね」
「先生…」
今日、僕は初めての声を出した
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