天気予報の恋人
第17章 chapter 17
アパート探しには、かずも一緒に連れて回った
範囲が狭いから楽だろうと思ったけど
…これがなかなか難しくて
二人で住む、と言う事に難儀を示す不動産も少なくなくて
どう見ても「兄弟」と言うにはあまりに似ていないし
保証人が親だと言えば「一緒に来てくれ」と断られる
まさか最初の物件探しですぐに行き詰まるとは
正直俺も思ってはいなかった
「これが現実なんだよ」
と言われれば、余計に何とかしたいとムキになる
こういうところが俺がまだ「世間知らず」なんだと言う事を突き付けられた
結局は、翔ちゃんに一緒に行ってもらい
「ここがいい」と思った物件のある不動産屋に
きちんとした話をしてもらった
スムーズに契約が進む
嬉しい事だけど、やっぱり複雑な気持ちは消えなかった
こんなんで大丈夫なのか?
俺の夢物語で終わらせたくないけど
得も知れない不安が心の中に渦巻いていた
「では、来月1日に入居でいいですね」
「はい、よろしくお願いいたします」
翔ちゃんが頭を下げたから
慌てて俺も、頭を下げた
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