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上エッチ新幹線

第39章 桐生彩乃の事情①

『彩乃を菜々子に会わせたいんだけど』
『えぇ?会わない方がいいと思うよ』

菜々子の勘が鋭ければ
私の想いなんて一発で見抜かれてしまう。

二人の邪魔をする権利は無い。

そんな勇気もない。

勇気があればとっくの昔に
慎之助に想いを打ち明けている。

『そうだな。菜々子から見れば彩乃は女
だもんな』
『慎之助から見れば私は男だけどねッ』
『彩乃が男だったらホント良かったのにな』

慎之助の何気ない一言に
胸をえぐられたような気分になった。

慎之助にとって私は女じゃない。

そう仕向けたのは他ならぬ私なのに。

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