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なぜ?

第5章 癒し

それから名津子は黙ってしまった。
俺は悪いことを言ったんだろうか?でも、どうしても、名津子にはそばにいてほしい。俺の帰る場所になってほしかった。


私はずっと考えていた。
どうしても言えない私の秘密を聞いたら、ジュノさんはいなくなってしまうんじゃないかと。言った方がいいのか、黙ってた方がいいのか。
考えてるうちに、ホテルに戻ってきてしまった。


「じゃあ、また明日。」
名津子の部屋まで送り、帰り道で初めて口を開いた。
「はい。おやすみなさい。明日の朝の出発、遅れないで下さいね。」
「うん。直行便なんだよね?」
「はい。怪我人が一緒だと言ったら、プライベートジェットを飛ばしてくれることになりました。」
「おやすみ。」
名津子を抱き寄せ、耳元で呟いてから俺は部屋に戻った。

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