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果てない空の向こう側【ARS】

第10章 ワンダフル・ワールド(潤)

潤「お湯の温度は熱くないですか? かゆいところはありませんか?」

ジー「大丈夫です…。」

ジーは、心細げに返事をした。

肩に力が入っているように思った。

潤「肩の力抜いて。頭を預けて。」

ジー「……。」

潤「大丈夫だよ。任せて。」

ジーは、肩の力を抜いた。

とたんに俺の手にジーの頭の重みが伝わった。

俺はシャンプーをしっかり泡だてながらジーの髪を隅々まで洗った。

仕事で肩がこると言っていたので、頭皮のマッサージもした。

ジー「気持ちいい…。」

ジーの声がもれた。

シャンプーが終わると、鏡の前に案内した。

潤「どんな風にする? もう時間が遅いから、カラーやパーマは無理かな?」

俺は、ジーにクロスをかけた。

ジー「仕事中に邪魔にならないように、くくれる長さは残してください。あとは…、お任せします…。」

潤「なんで敬語?」

俺はクスッと笑ったが、ジーは真顔のままだった。

ジーの濡れた髪を丁寧にとかした。

潤「オーケー、任して。」

俺はジーの髪にハサミを入れた。

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