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果てない空の向こう側【ARS】

第10章 ワンダフル・ワールド(潤)

それからというもの、俺は仕事帰りに毎日ジーの工房に寄った。

潤「やあ、ジー。今日の晩メシはパスタだよ。俺、結構得意なんだ。」

ジー「あんたも、毎日毎日飽きないわね。」

ジーはあきれ顔で俺を出迎えた。

俺はスーパーの袋を提げて、工房の奥のキッチンへ向かって料理を始めた。

ジーはしばらく俺が料理をしているのをながめていたが、再び工房に戻って作業の続きを始めた。

俺はほぼ毎日、こうしてジーの工房で夕食を作って一緒に食べている。

俺は仕事終わりが遅いから、はじめのうちはジーは夕食を済ませたあとだったが、毎日通うようになって、ジーは夕食を食べずに待ってくれるようになった。

フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れて火を点け香りを出す。

ニンニクの香りが立ちはじめたらベーコンを投入して香ばしい焼き色をつける。

生クリームを入れて熱が入ったら火を止め卵黄を入れて混ぜる。

あらびきの黒コショウを振り入れてパスタにあえたら完成。

ジー「今夜はカルボナーラ?」

においにつられてジーがキッチンにやって来た。

潤「そうだよ。ジー、お皿出して。」

ジーはパスタとサラダの皿を出した。

それに俺が料理を盛り付けていく。

この連係プレーも、もう手なれたものだった。

ふたりで向き合い席に着いた。

「いただきます。」

ふたりの夕食が始まった。

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