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神様の願い事

第2章 秘密

《sideS 》


そうだな。言われてみれば確かに松岡くんには既に恋人がいた。

しかもあのノリだ。
和気あいあいと呑んで酔っ払って普通に泊まっただけかもしれない。

俺だってそんな感じで友人を家に泊める事だってあるし。


そんな普通の事をどうして疑ってしまったんだろう。

好きだと気付いた時からだ。俺がおかしくなったのは。

あの人の周りで起こる事、あの人の言動、全てに反応してしまう。


潤「リーダー、リーダー」

智「んん...」

潤「俺次取材あるから。起きて」

智「んぁ、皆帰ってきた...?」

潤「ん」


膝枕で寝るってどうよ。


智「あ、俺」

潤「大丈夫、もう出てないよ」

智「ふぅ、よかった...」


揺り起こされた智くんは、松潤の膝から飛び起き目をぱちくりして自分の頭をくるくると撫でた。
それで、何やら安堵の溜息を吐きながら2人で笑い合ってる。

あれは、どういう事なんだろう。

ただ仲が良いだけなのか。それとも。


智「俺は?」

潤「リーダーはまだ待ちだよ」

智「うぃ~」


男を恋愛対象として見れるのだろうか。
見てないからこそ、あんな風にじゃれる事が出来るのだろうか。


潤「翔さん」

翔「ん?」

潤「俺、今から3人で取材だから」

翔「ああ」

潤「ちゃんとお守りしてやってね」

翔「は?」


松潤を見て悶々と悩んでいたら、涼しい顔をした松潤が俺に近付いたんだ。

それで、俺に智くんをお守りしろと言う。


翔「え、なに」

潤「おまもり」


すれ違いざまに俺の胸ポッケにカサっと何かを押し込んだ。
それを見ようとすると、松潤の手が俺の手を制し、おまもりだよと一言告げる。


潤「それ、持ってたらイイ事あるよ。だから出しちゃ駄目だよ?」

翔「見ても駄目なの?」

潤「ダメ」

翔「あ、はい」


ニヤリと笑う松潤にいささか不安を覚えるが、やはりアイツは良い奴なんだ。

最近俺の様子がおかしかったのを気にしてくれたんだろう。



だからおまもりなんて、いじらしい事しやがって。



可愛い末っ子の気遣いに感謝して、言いつけ通りこのまま胸に入れておくとするか。






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