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神様の願い事

第2章 秘密

《sideA》


ちきしょうニノの奴。
逃げやがったな。

俺から逃げて、リーダーの所でわちゃわちゃと楽しそうにしてる。

いつもそうだ。
何かと言えば大野さん大野さんって。

うーーーー。


雅「なんの話?」

和「や、別に」


隠し事かよ。許さねえ。


雅「えっ何それ。教えてよ」

潤「大した事じゃないよ」


松潤もグルなのか。


智「どしたの相葉ちゃん。元気ないね?」

雅「りぃだあ~...」


ニノがリーダーを好きな理由は分かる。
だって俺もリーダーの事大好きだもん。


智「唐揚げあるよ。食べる?」

雅「うん、食べる」


優しいんだ。


和「本当アナタは甘いんだから」

智「だってこんな元気ないのおかしいじゃん」

雅「うう」


少ししょんぼりすると、リーダーはそれを察知してくれる。
何も言わないのに気付いてくれるんだ。


智「チョコケーキもあるよ。後で一緒に食べよう?」

雅「うん...っ」


これだから好きなんだ。
ニノに問わず、誰だって好きに決まってる。


潤「俺も食べたい」

智「お、珍しいね」

潤「ぱく」


リーダーの手にあった唐揚げを松潤が口で奪った。
それを見たニノは。


和「美味しい?」

潤「ん、めっちゃジューシー」


キョロキョロとテーブルを見て、なんだよもう無いじゃんと残念そうな声を出した。


和「あ、あった」


でも視線を止めて、唐揚げを見付けたんだ。


和「ぱく」

雅「え」

和「もぐもぐ」

雅「お、俺の」

和「うん、旨い」

雅「俺のっ、唐揚げ...っ」


俺の食べ掛けの唐揚げを、俺の手から奪った。

俺の指ごとぱくっとかぶりついて、美味しそうにもぐもぐと口を動かした。


和「いいじゃん。アナタもう食べたでしょ」


唐揚げを奪われた事に怒った訳じゃない。


俺の食べ掛けを美味しそうに頬張るニノに、胸がきゅっとしただけだ。






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