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Beast 〜獣たちに好かれた僕〜

第7章 桜蘭(さくら)



日曜日。


僕は二宮さんに連れられ、狛犬さんの病室に来ていた。


狛犬「もぉー涼野くん全然来てくれないから寂しかったじゃん!」


聖輝「ごっごめんなさい…」


二宮「まぁ明日退院だから火曜日から嫌でも顔合わせることになるけどね。」


狛犬「あははっ!それもそうだね!」


聖輝「……。」


狛犬「…ねぇ…さっきから黙ってるけど…どうしたの?」


二宮「学校にいる時も俺のことちょいちょい避けてたよな?」


聖輝「えっ…」


狛犬「うそ?!ニノ何かしたの?!」


二宮「してねぇよ。こいつが勝手に避けてたの。」


狛犬「ねぇ…どうしたの?何があったの?」


聖輝「……狛犬さん…」


狛犬「なに?」


聖輝「…僕のせいで…こんな目に遭うんですよね…?」


狛犬「えっ?」


聖輝「僕がそばにいるから…ケガするんですよね…?」


狛犬「ちょっと待って…何言ってるの?」


聖輝「ぼっ…僕がべったりくっついてるから…狛犬さんに迷惑かけちゃうし……」


狛犬「待って!俺迷惑だなんて思ってないよ?」


聖輝「でっでも…僕のせいで…狛犬さんに大きなケガさせちゃったから…!!」


狛犬「涼野くん…これは涼野くんのせいじゃないよ?」


二宮「まぁ、ケガしたことに変わりはないけど、これは死神が狂ってるだけ。お前は悪くない。」


聖輝「でっでも…僕がそばにいると…」


狛犬「やめてよ!!何でそんなこと言うの?俺達友達でしょ?友達が友達のそばにいるのって当たり前じゃん!!」


聖輝「ぐすっ…ゔっ…!!」


二宮「どうしたんだよ…」


聖輝「ぐすっ…狛犬さん…大切な人がいるんですよね…?」


狛犬「えっ?」


聖輝「この間…お見舞いに行こうとここに来たら…女の人と一緒にいましたよね…?」


狛犬「あっ…」


聖輝「ぐすっ…その人の為にも…これ以上狛犬さんに迷惑をかける訳には…いかないです…!!」


狛犬「涼野くん…」


聖輝「だから…だから僕……!!」


二宮「……盗み聞きですか?」


聖輝「えっ…?」


二宮「そんなところに立ってないで入ってきなよ。」


狛犬「えっ?誰かいるの?」


二宮「おそらく…こいつに何かを吹きかけた張本人。」


聖輝「えっ…?!」


ガラガラ…

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