今日も明日も
第67章 お友達からはじめましょう
いつも通りの会社帰り
ほぼ日課になっているコンビニへの寄り道
夕食にする弁当と、缶ビールをこれまたいつも通り買って
今日こそセーブ中のゲームをクリアしてやろうなんてあれこれ考えながら歩いてたら
「見ーつけた」
俺の前に立ち塞がる見たことない奴
ん?
見たこと…ない?
いや、どこかで見たような気がする
どこだっけ?
でもまあ、思い出せないって事は大した事ない関わりだろう
やたらニコニコしてるそいつを無視して、横を通り過ぎようとしたら
「ちょ、ちょっとちょっと!待ってよ!」
俺の腕は何故だかそいつに掴まれていて
「は?なに?」
いきなり掴まれた事に嫌悪感を覚えて、頭ひとつ分大きいそいつを睨み付ければ
「覚えてないの?俺の事」
何と表現して良いか分からない顔で俺を見つめてくるから
「知らない」
あっさりきっぱり返した俺に、そいつはあからさまに溜め息を付きやがった
「とりあえず、腕離してくれませんかね?」
溜め息付こうが知らないもんは知らない
だからこんな事される筋合いもない
俺は早く帰りたいんだっつーの
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