今日も明日も
第56章 Perfect Story
消えてしまうなら、いっそ噛んで傷になった方が長く残るじゃないか
「かずの所有印、付けてよ」
「…血が出てもいいの?」
「全然平気」
「なら…、相葉さんも俺に付けてくれる?」
マジか
普段キスマーク1つ残るだけで怒るかずがそんな事を言うなんて
「あ…でも、見えるとこはダメ」
いたずらっ子みたいに人差し指を俺の唇に当てて、ニッと笑う
「分かった。じゃあ、先にかずが付けて」
その囁きをきっかけに、かずの唇が動き出した
「…っ、いて…っ」
俺を下にして、上に乗っかったかずが歯を立てた
かずってば本気で噛んでる
所々、歯形に交じって血が滲み、そこを舐めたかずがまた違う場所に歯を立てる
さっきからこの繰り返しで俺の体は肩から腹に掛けて、無数の噛み痕が残っていた
人前で着替える事なんかないから、別に構わないけど
散々噛んで疲れたのか
傷だらけになった俺に焦ったのか
「おしまい」
そう言うと、俺の上から降りたかずが
ぽすん、と体をシーツに投げ出した
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