今日も明日も
第52章 Bitter Sweet
「もぅ…、明日学校行けない」
ぐったりと俺の腕の中に身を任せたかずが恨めしげに呟いた
「休んじゃえば?…どうせ練習だけなんだし」
汗に濡れた髪を撫でながら、そんな事を言ってしまう俺は
「大人がサボるのを勧めんのかよ…」
かずが呆れるくらい、コドモだ
だって俺は、学校でのかずを知らない
どんな風に友達と過ごすのか
授業中はどうやって勉強してるのか
教師たちとどう接しているのか
俺の知らないかずが多過ぎて、不安になっているんだから
だけどそれはかずも同じで
会社での俺を何一つ知らない
だからこそ、ちょっとした事で拗ねたり怒ったりする
「まーくんが言ったんだからね」
「え?」
「明日、先生に連絡入れてよね」
“保護者、だもんね“
悪戯な目をしてかずが笑う
忙しくて家庭をまともに維持出来ないかずの両親から、従兄である自分に任された
単に昔から仲が特に良くて、かずの両親からも何故か多大な信頼を得ているのが理由だ
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