今日も明日も
第51章 おしおきは甘い味
にのが植え込みから “よいしょ“ と跨いで出てくると、すぐに俺の回りをぐるりと観察し始めた
クンクンと体の匂いをチェックしている
「…遊んでたわけではなさそうだね」
“匂いがしないもん“
「匂いって…お前は犬か」
思わず笑ってしまった
疚しい事は何もないから、そんなんで分かるんならいくら嗅いでくれてもいいけどさ
にのがそんな事言うとは思わなかった
「で?…どこに行ってたの?約束を無視して」
ぎろりと俺を見る目は完全に怒っている
「…そこの公園で寝てた」
「は?」
「だから、目が覚めたらそこにいたんだって」
そうとしか、言いようがない
だって本当に覚えてない
「ちょっと…とうとう本当におかしくなった?」
「…そうかもしれない」
違うと言えない自分が悲しい
自分でもそう思ったし
「とりあえず、話聞くから相葉さんち行こ」
にのに腕を引っ張られて
その細い腕と可愛い手に少しだけ安堵の溜め息を洩らした
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