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だってやっぱり
潤のいる前であれは渡せない

幾らなんでも恥ずかしすぎる

だから “買い忘れた“ って言って
翔ちゃんをがっかりさせてしまった



ごめんね翔ちゃん
…後でちゃんと渡すから、今は騙されてて





潤は本当に、日帰りで帰ると言い張って
最終の新幹線に間に合うように帰ってしまった

相変わらず忙しいってか自分を崩さない奴

…だけど何も変わらない潤の態度はむしろ嬉しかった
離れてようが、関係ないって言ってくれてるみたいで



そして当たり前だけど残った翔ちゃんと俺

ほろ酔い加減ではあるけど、先にテーブルを綺麗に片付けて

潤のくれたワインを翔ちゃんが早速開けて


2つのグラスに注がれたワインを持って
改めて翔ちゃんに向き合った


「おめでとう、翔ちゃん」

「ありがとう」
にっこり笑ってグラスを合わせる

たまにはこんなロマンチックなのもいいかも
…ちょっと照れ臭いけど

ただ、こうして一緒に祝える事が
何よりも嬉しかった