今日も明日も
第48章 君がいるから~番外編・翔ちゃんの誕生日~
『俺に嘘ついて、何かあんの?』
もう、声が怖い
学生時代の静かに怒るあの恐怖が甦るくらい怖い
だけど
黙った俺に対し
『知られたくないような疚しい事があるのかよ』
…この一言で、カチンと来てしまった
「翔ちゃん、俺の事疑ってるんだ
…信用もされてないんだ」
俺の言葉にもかなりなトゲ
「いいよ、もう」
『ちょっとま…っ』
翔ちゃんが何か言い掛けたのを無視して、通話を終わらせた
せっかくの誕生日なのに
サプライズで祝いたかっただけなのに
ほんの少しでもそれが頭に浮かばない翔ちゃんに腹が立つ
もう、このまま止めてやろうかと思い始めた時
再びスマホが着信を知らせた
「あ……」
今度は連絡を待っていた潤だ
「もしもし」
『大野さん?駅着いたよ』
止めたくても、今日はわざわざ潤が来てくれたんだ
こんなくだらない事で潤に迷惑は掛けられない
「改札にいて、向かうから」
まだモヤモヤは残ってるけど
潤には早く会いたかった
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