無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「ただいまー」
「はいおかえり…って、ここ俺んち」

まるで我が家のようにズカズカ入っていくのはいつもの事

そして相手にされない突っ込みを入れるのもお決まり

色んな物が増えてきて、手狭になったからと
思いきって引っ越したこのマンション

その「色んな物」の中には俺のじゃないのも含まれている

リビングには、当然のように配線組んで設置されたゲーム機

客間になるかと思ってた部屋のクローゼットは既に埋まっている

そう言えばこのガラスのテーブルも、ソファーも
選んだのは俺じゃない、にのだ

風呂場にも、自分用のシャンプーとかちゃっかり置いてある

だけどキッチンには入ろうとしない

ここにあるものだけは、一切の口出しはしなかった


「にの、お腹は？」

「空いてるー」

亭主よろしく、ドカッとソファーに凭れたにのが、首だけを後ろに逸らして二ッと笑う

「チャーハンでいい？」

「わーい！サンキュー」


仕事が一緒の時はいつもこんな感じ