今日も明日も
第28章 ありのままの君が好き
「あぢぃぃぃぃ…」
エアコンの効いた楽屋に戻っても、直ぐには引かない汗が体を伝う
通気性なんて皆無なこのステージ衣装と、スタジオの沢山のライトの熱は
はっきり言って拷問じゃねえかといつも思う
「お前、体力なさすぎなんだよ」
紙コップを俺に差し出しながら、そう言って笑うのは
「アナタだって、汗すごいじゃん」
夏が似合いそうな、このヒト
サラサラの髪がクフクフ笑う度に揺れている
受け取ったコップの中身を見た俺を見て
「コーヒーじゃないからね」
俺が何か言うより先に、ニヤリと笑う
「…あいばか」
ボソッと言った俺の呟きは、しっかり届いていたらしい
「汗掻いてる時はスポドリなの!」
ー…ホント可愛くないなぁ
なんて、言いながらも顔は笑ってる
「はいはい分かりました」
つられて笑いそうになりながらも、一口飲むと
良く冷えたそれが喉を気持ち良く潤していった
隣に座って、多分同じ中身の紙コップを傾けて
…一気に飲み干した相葉さんは
「あーうめぇっ」
顔をクシャクシャにして喜んでた
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