今日も明日も
第20章 countdown
名前を呼んだ時
自分が中の何かが変わった
目許を力任せに拭い取り
体を起こして
俺を見つめている相葉さんに向き合うように座る
「…死んでくれる?」
俺の言葉に、相葉さんは驚いたような顔をした
「俺以外の人を見るの、イヤなんだよね」
何故か、言葉がスラスラ出てくる
「相葉さんを、俺だけのものにしたい」
少し、にじり寄った
「一瞬も、離したくない」
汚れた手で、相葉さんの頬に触れる
「…やっと聞けた」
初めて、相葉さんが微笑んだ
俺の大好きな
優しくて、包み込む笑顔
「かずに、俺を求めて欲しかった」
俺の手に、自分のそれを重ねた
「死ねるよ。かずの為なら」
…それで、かずが俺のものになるなら
「本当…?」
自分で言っといて、思わず聞き返してしまう
「かずが、俺を愛してくれてるのが分かったから…いいよ。殺して?」
相葉さんの瞳が、潤んでいた
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える