
ARS*ヒミツノコイ*
第4章 風邪ひきさん
「…行っちゃうの?やだっ…行かないで?」
あぁぁぁ、普段甘えないくせに素直に甘えてくるのやめてくれ
欲望に満ちた目を見られないように、片手を顔にあてながら
もう片方の手で友香の髪をやさしくすくう
「…大丈夫、もう仕事終わったし、俺はここにいますから」
だから寝てくださいおねがいします
友香は俺の気持ちなんてこれっぽっちも知らず、やったぁと言って俺の手に擦り寄ってくる
「ねぇ、和也」
「はいはい、なんですか?」
「だいすき」
鏡で自分の顔を見たわけではないけれど、絶対赤い。しかも真っ赤だ。
カァ…と火照る顔を隠そうとするが友香に素早く見つかってしまい
「和也?顔赤い…」
「…うるさい友香」
「だいすき。和也のことだいすきだよ。」
「あー…っ、もう、かわいすぎ…」
「私のことは?すき?」
「…っ、だいすき、だよ」
