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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第8章 偉大な人に会うも、横道に逸れるあの頃

 どうやら、別のマジックショップの方でした。


「おたくの所、マリックの商品ある?」


 あるけど、店頭には出してない。


「あるだけ売って」


 いやいや、僕はアルバイト店員で責任者ではない。聞いてみないと、それは出来ないと言った。


 そこの店にも、マリックさんは商品を卸していたんですな。


 テレビの影響で、マジック愛好家の方が、マリックさんがやってるネタが欲しいと買いにくるんだよね。


 本当は売ってはいけないって、言われてるんですよ。


 ですが、在庫があれば裏で売ってもいいってことなんですよ。


 関西の深夜番組に「マスタースティング」という、見るからにいかがわしいマジシャンが登場して、マリックさんが、どえらい講釈かましてやってたネタを、いとも簡単にやってたもんだから、マリックさんを超能力と信じてた人で、マジック経験のない人も「自分も出来るかも?」「やってみたい」と思って、買いにくる。


 在庫あるんなら、売りますよね。回収するなんて言ってこないから、置いてたってしょうがない。


 マスタースティング(当時、神戸でバーを経営してはりました。2010年の12月24日に他界されてます)が、はにかみながら「パワーを入れます」と言って、マジックを披露してから、関西のマジック層が増えて、マジック道具がバカほど売れた。



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