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理佳のトリセツ~愛あるセックスは智也だけ~

第21章 智也の事情~社会人①~

「……だから聞いてる?智也!智也ってば!」
「あぁ……ごめん。で、なに?」

あまりのショックに美鈴の話が
まるで耳に届かない。

「理佳には感謝してるって話だよ」
「それか」

高校の卒業式。

留年が決まった美鈴に理佳は
公衆の面前でこう言ったそうだ。

『学校に来なかったのはあんたの意思でしょ?
同情なんかしないよ、私は』

そして美鈴に同情するクラスメートには。

『あんたら馬鹿?この状況で一番辛いのが
美鈴だってこと分かんないの?』

理佳らしいエピソードに
つい口角が緩む。

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