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犬猿の仲良し

第13章 亀裂

ー30分後

俺は目が覚めた。
目が覚めた?
ということは俺は寝てたのか?
やっべぇ学校!
俺は急いで起き上がった。
視線の先にはベッドに寄りかかって漫画を読んでいる健太がいた。
がばっと勢いよく起きた俺に気付いたようだった。

健「お」
璃「今何時だ?!」
健「暴れんなよ病人。5時30分」
璃「そうか。よかった…病人?」
健「まさかほんとに熱があるとはな」

けらけら笑う健太。

璃「え、俺熱あんの?」
健「37,6度でっせー」

微妙。
通りで顔が熱かった訳だ。
よかった、意識してるわけじゃなかったのか。

璃「つーかまさかって何だよ」
健「俺の告白がマジだって分かって照れたのかと思ってた」

何でお前そこで顔赤くしてんだよ。

璃「…」
健「ドン引きかよ!」
璃「当たり前だろ!まず告白自体に引いてるわ!」
健「何だよ、脈あるかと思ったのに」
璃「ねーよ」

俺がそう言うと、健太は舌打ちをした。
俺が舌打ちしたいっつーの。

健「誰がベッドまで運んでやったと思ってんだよ!」
璃「運んでくれたの?さんきゅー」
健「それだけかよ!」
璃「だって俺軽かっただろ」
健「うん」

あ、何かいつもの感じだ。
楽しい。
何だかこのノリが久しぶりのような気がして、俺は機嫌が良くなった。

璃「これ風邪かな」
健「いや、違くね?璃玖の平熱36,7度ぐらいじゃん」
璃「何で俺の平熱知ってんの」

ストーカー?
ぶっちゃけ自分でも平熱把握してないのに。
恐怖だわ。

健「秘密。それより璃玖珍しく弱気じゃん?熱のせい?」
璃「いや…」
健「ん?」
璃「さっきキスしたときにうつってたら申し訳ねぇなって」
健「ぶっwwwww」
璃「んだよ?!きも」
健「あんだけ嫌がってた割に俺の心配?」
璃「わ、悪いかよ」

ニヤニヤしながら言う健太の言葉が恥ずかしくて、顔が更に赤くなった。
それにつられたのか、健太も顔が赤くなっていた。

健「そういうことするからタチ悪いんだよ」
璃「はい?」

何かしましたかね?

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