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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡

第11章 ちーちゃんの夏休み♡partⅢ♡






そんなしなくてもいいような…

いらない心配なんかしちゃったくらいにして…

そんなものしなくたって、アタシの心臓なんてもうとっくの昔に木っ端微塵に破壊されてて、壊れたラジオなんかよりもず──っとうるさいっていうのに…


「……さっき、全部お見通しだって、自分で言ったじゃん…」

「ん…?」


ちゃんとそこらへん、わかってる?


「ん!?…じゃなくて、もう…」


ふざけてるのか、優しい意地悪の続きなのか、もう…ちゃんと理解されてますか、優しい優しい王子様。


「…それってオレ、自惚れてもいいってこと?」


赤い膨れっ面のまま下から見上げれば少しとぼけた風に笑った彼がいて…

くすぐったいような空気も、彼の温もりも、全部が心地いい。


ねぇ、本当は…

アタシがこんなにドキドキしてるのも

こうして葵くんでいっぱいいっぱいになってるのも…


本当は全部…


「……知ってるんでしょ?」


















「………」



……ん!?


なぜに応答なし?




「葵く……ん?」










…が、




………!!




「ひゃっ……!!」




—ビクンッ!!




「…ッ…──!!!」







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