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薔薇寮の淫

第3章 そこにある理由

・玉森side

しかし凄い剣幕だったなぁ

でも俺はそんなミツの姿を見て。

あの時のことを思い出していた。

あれは、わたのネコになって1ヶ月が過ぎた頃だったと思う。

実は、ガヤと一緒の部屋っていうのは知っていたんだけど。

一度もそこへ行ったことはなく。

いつも向こうから来てくれてたし。

俺から、わざわざ行く必要なんてなかったから。

けど、そんなある日。



玉「たまには、部屋へ押し掛けちゃおっかな」



驚かすつもりで訪ねてみたんだけどね。



玉「あれカギ開いてるよ、不用心なんじゃない」



ガチャ!



玉「お邪魔しまーす」



バタン!



ニ「うっあっ、わったー、いいっ、あっ、あぁーっ」



えっ、この声はニカ!?



横「そろそろいいか」

ニ「あっ、あぁ、うん構わないぜ…ハァハァハァ」

横「よし太輔、挿れろ」

藤「でも」

横「やるんだこいつもやっとその気になってくれたんだ、その気持ち無駄にするつもりか」

藤「けど、できねって」

横「まだ分からないのか、お前はもう攻めになるしか道はない、そう言ってるだろ」

藤「くっ」

横「だったら俺を受け入れられるっていうんだな」

藤「それは」

横「できないくせに、なぁ太輔あの時おまえが受けた傷がどれだけ深いか俺にだって分かっている」

藤「わた、クッ」

横「だが、それでもここにいる限りタチかネコまたは両方として、誰かと身体を重ね合わせていなければ、生きては行けない」

藤「‥‥っ」

横「お前が、特定のネコを持ちたくない気持ちはよく分かった、けど今のままじゃまた他の奴に襲われてしまうんだぞ」

藤「ビクッ」

横「俺のグループにいるとはいえタチとしてメンバーを抱いているわけじゃないし、ましてリーダーである俺のネコでもない」

藤「つまりは奴らの標的である事に変わりはないと」

横「そうだ、だからタチになれ。それしか護ってやれる方法はないんだよ」

藤「くっ」





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