
完璧少女の苦悩
第1章 そんな私
「な……っにすん、」
「光汰くんと篤くん、系統は違うけどどっちもイケメンでしょ!」
「ああ……うん」
愛利の迫力に気押されて言うと、愛利は満足そうにうなずいた。
「いやあ、それにしても、制服似合ってるね梓ちゃん」
「不意打ちのちゃん付けは気持ち悪いわ……」
「うるさいなこの子。中学のブレザーより似合ってるよ」
そうか? と思ってくるりと回転して見せると、「ほほう」つって愛利が腕を組んだ。
乱れたスカートのプリーツを整える。
「なんだかエロいわね」
「は?」
「可愛い」
何言ってるか理解はできなかったが、褒めてくれてはいるようだ。
