私の心の1番綺麗なところに
第27章 酔いのまま宵になる
川上さんに起こされて
目が覚めた。
腕時計を見ると、6時。
いまから帰ってサッとシャワーを
浴びてもバイトには間に合う。
漫画喫茶の料金も、
川上さんが支払ってくれた。
お店を出て駅までの道を歩く。
「どういうつもりでキスしたんですか?」
「これから私たちはどうなるんですか?」
「川上さんは、私のこと
どう思ってるんですか?」
聞きたいことは、あるのに。
怖くて、聞けなかった。
「一夜の過ち。」
「酔っていたから。」
「ごめん。」
面と向かって、言われるのが
怖かった。
キスしただけじゃ…
セックスしただけじゃ…
結ばれないことを
私は、知っていたから…
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