私の心の1番綺麗なところに
第14章 サヨナラの秋
あなたの好きな色を、私は知らない。
あなたの好きな場所も、女の子のタイプも。
なにも知らない。
けれど好きだった。
ただただ、好きだった。
いまでも、ふと
あなたの声を思い出すときは
左後ろを見るの。
あなたと初めて会ったときの
「左!」という声。
振り向けばいるかも、なんて。
笑顔で私に手を振るあなたが
いるかも、なんて。
ああ、神様。
こんなにも想っているんです。
こんなにも逢いたいんです。
逢わせてくれませんか…、
夢でも幻でも、いいから。
振り返っても誰もいない。
隆太はいない。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える