
出逢いは最悪だったけれど。
第2章 問題児、大野
「言ったろ?大野はお前みたいなイケメンがタイプなんだよ」
目の前にはニヤニヤした顔をした松岡。
喫煙室はすでにタバコの匂いと煙でいっぱいだ。
「知ってたんですか?大野がそういうことしてるって。」
たまらずタバコに火をつけた。
社会人になったら禁煙しようと思っていたが、ムリそうだ。
「ああ、俺も抱いたからな」
は?
火がついたタバコを落としそうになり、慌てて口に加えた。
この人
今なんて言った??
「冗談、ですよね?」
いやむしろ冗談であってくれ。
「寂しいから抱いてっていう大野を拒めっていうのか?そりゃ無理な話だなぁ。」
頭がクラクラする。
ひさびさに吸ったタバコのせいか?
いや、目の前のこのとんでもない男のせいか?
「あなた教師でしょうが。まあとにかく、大野にそういうことをやめさせ、教室に戻します!」
担任である俺がやるべきことはそれだ。
たとえ拒まれても、負けてたまるものか。
「がんばるねぇ、新米教師くん。だけど大野は手強いよ?」
「新米教師って呼ぶのやめてください。」
新米教師だからって舐められてたまるか。
待ってろよ大野智!
