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[現代版] 天使と悪魔

第26章 慟哭の記憶⑦

・河合side

戸「無理、クッ」

河「えっ」

戸「河合…食う‥なんて…俺には」



残っていた。



河「トッツー」

戸「河合、くっ」



2人を繋ぐ赤い糸―

“えぇーい小賢しい、ならばこうしてくれるわ”



戸「ハッ、郁祥あぁー」



が、目の前に

突如として現れた柱に縛り付けられている我が子を見てトッツーが叫ぶ。



河「よせ何をする気だ」



“さぁ魔物たちよこの幼子を殺せ”



屋「ちょ待て」

山「どうしたの屋良にぃ」

屋「郁祥はトッツーの子だ同じく幻獣の化身の血が、その身体に流れていたはずじゃなかったのか」

五「けど襲って来た」

横「あぁ確かに、あの洞窟の上で郁祥が追われ逃げていたのは」

薮「魔物と化した幻獣」

屋「なぜ?」



それは―

“もし生まれた子が母となり、他の種族との間に子を成したなら。その第一子は逆に奴らにとって驚異の存在となるであろう”



横「危険分子、その意味がどんなものなのか俺たちは知らない」



ただ言えることは。



河「それがもとで、郁祥はまた」

藤「狙われるだろうと」

河「あぁ」

戸「くっ」



トッツーの中に潜んでいる妖魔が目覚めたなら。

時は、刻一刻と。

迫り来る恐怖の瞬間を暗示しているかの如く。

息を止め静まり返っていたんだ

その暗闇の中で―





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