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[現代版] 天使と悪魔

第26章 慟哭の記憶⑦

・屋良side

屋「河合、すこしだけトッツーに聞いてもいいか」

河「それは」



こいつの話だけでは分からない部分もある。



屋「必要なことだけ最小限に抑える」



やはり本人の口からでないと。



河「分かりました」

屋「ありがと」



まずポイントは―



屋「河合と結ばれたことで妖魔の血が覚醒し、魔力を使えるようになった」

戸「はい」

横「俺達も知っていた事です」

屋「だが妖魔の声が聞こえるようになった事までは」

五「郁人しか知らなかった」



それは、平和になってからも続いていたのか。

そう聞くとトッツーは…



戸「いえ、あの日までは」

屋「あの日?」

戸「妖魔が俺の中に入って来た時までは自分でも忘れてしまっていたほど」



聞こえていなかったって事か、なるほど。



内「心理作戦ってやつや、怯えさせるだけ脅しまくり休息を与えたのち」



油断させてから急所を狙う



ニ「卑怯なやつ」

千「絶対に許さない」

屋「なら、単刀直入に聞く妖魔が自分の中へ入り込んだのはいつ・どこで、どんなふうに」

戸「それが」



分からないだって!



戸「記憶がないんです」

横「じゃさっき言ったあの日というのは」



身体の中で、何かを感じたから?



戸「血が蠢くっていうか」



つまり明確には分からなかった為。



戸「初めは河合にも言えず暫くしてからまた声が聞こえるようになって」



“時は来たれり我の言葉に逆らう事なかれ、いざ魔の領域へ向かわん”



横「なに!」

屋「横尾」

横「で、行ったのか」

戸「それも、クッ」



記憶がない?



河「すみません、ちょっといいですか」

五「どうした郁人」

河「トッツーの中で記憶が時々途切れているのは全部あいつのせいなんす」

薮「そうなの」

河「たぶん自分の都合いいように操るため」



記憶を消した。



屋「こりゃかなり難関かもしれないな」

北「屋良さん」



魔の領域か、いったいそこで何があったっていうんだ



横「話を進めましょう」

屋「あぁ」



たがそれは―

おのずとこの先、分かる事となる。



屋「藤ヶ谷、安井から話しを聞くが構わないか」



それぞれの記憶の糸を手繰りよせ。



藤「はい」





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