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泣かぬ鼠が身を焦がす

第7章 馴染めば思う


「そっか……ごめんなさい……」
「いや、何の説明もなしに怒鳴って悪かった」
「ううん。考えればわかったし、俺のが悪いことした」


この流れはいやいや俺がって水掛け論になるやつかな、とか考えてたらそこはやっぱり杉田さんは大人で


「ふっ……そうか」


ってカッコ良く締められた


「……」
「……」
「……これ美味しい」
「そうか。それは良かった」


気まずい雰囲気が拭えると、杉田さんが作ってくれたご飯の味がよくわかって


この味好き


パクパクご飯を食べてたら、杉田さんが俺の方を見てることに気がついた


「好き嫌いとかないのか?」
「嫌いな食べ物…………んー……ないかなぁ」
「そうなのか」


何でも食べなきゃ生きていけないし
残すなんてあり得ない

日本の精神『もったいない』ね!


「ご馳走様でした」
「お粗末様」


俺と杉田さんが同時に食べ終わって、自然とベッドに足が向く


だってここにはそれ以外に家具も何もないし


「今度、他に何か家具でも置くか」
「突然なんで?」
「今日1日ここで過ごしていてあまりに殺風景だな、と思ってな」
「それを今気がつくって、元々ここは何に使ってたわけ?」

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