泣かぬ鼠が身を焦がす
第3章 枕
すると社長さんに大きなため息を吐かれて
「ちゃんと毎日シャワー浴びろ」
と命令された
「はぁい」
杉田さんはそーゆーの怒らないってことね
なるほど
「ほら、脱げ」
「ちょっと、自分で出来るよ……!」
「なら早くしろ」
だーっ!もう!
引っ張るなって
何とかして脱ぐと、すぐに浴室に入れられた
小さな(とはいっても部屋からしたらってだけで十分大きい)浴槽と洗い場というシンプルな作りだったけど、壁は大理石で見た目は随分豪華だ
さっすが〜
女の囲い部屋なんか作るだけあって、こんなちゃんとした浴室なんか用意してるんだ
しかも24時間風呂
数日使わなかったのもったいねー
「目瞑れ」
「へ? 待っ、わぁあ」
浴室内を見るのに夢中になっていると、突然頭からお湯をかけられた
あーもう目に入った
……でもあったかいな
「洗うぞ」
「えぇ!? 子供じゃないんだから自分で出来るってば!」
「いいから。俺がやったほうが早いだろう」
シャンプーを手の平で泡立てた杉田さんに髪を洗われる
うーーーー
むず痒いし
なんか、恥ずかしい
「痒いところはないか?」
「………ある」
「どこ?」
「そこらじゅう」
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える