
不透明な男
第1章 記憶の無い男
智「ま…っ、う、うごかない…で…」
俺の後ろはぎちぎちと音が聞こえそうな程に窮屈になっていた。
物凄い圧迫感に耐えるだけで精一杯だった。
男「…っ、キツいな…」
智「く…っ、ふぅ…は…っ」
動かさなくても苦しい声が漏れる。
額に脂汗が滲む。
男「初めてなんだな… うれしいよ…智…。」
俺は額をベッドに押し付け歯を食い縛る。
肩を竦め肘を曲げ、シーツを掻き毟るようにしがみつく。
智「うっ…く…っ」
男「辛いか…? ごめんな…。」
男は俺の髪を撫で、耳許で囁く。
男「気持ちよくしてやるよ…。」
そう言うと、男はずるっと俺から離れた。
智「ん、あ…っ」
男は器用に俺をひっくり返すと俺の足を割り開き、すかさず足の間に体を納めた。
じっと俺を見つめると体を倒して俺に覆い被さりキスをする。
ちゅっと啄むようにキスをすると俺の頭を撫でながら体を起こす。
再び俺の蕾に熱があたる。
智「や…ほんとに…もう、むり…」
男「俺を信じろ。」
男は逃げようとする腰を掴むと、大丈夫だ安心しろ、と瞳で伝えながら俺の中に入ってくる。
智「あ…あぁ…」
仰向けになった俺の背が反る。
