
アイツまで徒歩5分
第12章 夜を追いかけ朝になる
陣ヶ岡さんの…“好きだよ”“愛してる”は……
結構前から…聞いている…
それが…今日は――――…
いや…陣ヶ岡さんが俺に過去を告げたとたんに…
増えた気がする…
俺だって――――…陣ヶ岡さんが好きだ…
この気持ちに…照れや戸惑いはあるが――――…
確実に…恋愛対象としている自信はある…
何だろう…言われて嬉しいはずなのに――――――…
違和感がある―――――…
俺は、陣ヶ岡さんが酒を飲む姿をぼーっと見つめ…
その違和感を探す――――…
「ん?どうした最知?嫌いな食べ物でもあったか?」
「――――――ぇ、え?いや!大丈夫ですよ!早く、この釜飯炊き上がらないかなぁ〜って♪」
俺は、誤魔化すようにグラスの水をグイッと飲み干した―――――――「あっ!最知!それ、日本酒!!」
「――――――――んっ!あっっっゴックン!!」
!!これ――――――水じゃ…なかった!!
