
アイツまで徒歩5分
第9章 どちらかと言えば……?
「――――――で!娘は、今!頑張ってる訳だよ!!」
「では、誰にも気がれなく練習が出来る部屋を目指して、私共も全力をつくします」
なんちゃらコンクールに出るための…練習が出来る部屋…
なるほど…実家では集中して練習も出来ないって訳か…
この父親がいたら…俺でも独り暮らしを希望するな…
「よろしくお願いします」
微笑むそよ子さんに…ますます酒が進む常務―――…
「ところで―――…陣ヶ岡君は…結婚とか考えたりするのかい?」
「――――――は?」
何を言い出すんだ?ん?酒飲み場のモラハラか?
「――――結婚ですか?また、唐突に」
「いやいや…君がもし…今相手がいないのなら!
ど〜かね?そよ子と付き合ってみては?」
!!はぁ?…な、なんだって?!!
「返事は直ぐにとは言わないよ!
娘は、君の事気に入ってるみたいだし!
優秀な君なら私も安心だしね!!ど〜かね?」
俺は、突然のお見合い話に…血の気が引いた!
そよ子さんを見ると……
そよ子さんも、焦っている様子…
彼女も寝耳に水だったらしい…
「あっ////でも、急に!!そよ子さんのお気持ちもありますし!!」
「そうだよな!まず、今日はこのまま二人でディナーをして!お互いをわかり会えばいい―――――…
さてと、後は若い二人に任せるよ!!
私は、帰る―――――では」
無茶ぶりにも…程がある…
常務は、言うだけ言い…人の意見も聞かずに、上機嫌で帰って行った―――――――…
