
アイツまで徒歩5分
第9章 どちらかと言えば……?
「――――…はい…陣ヶ岡です」
『お、陣ヶ岡君か!プライベートな番号に申し訳ない!
優木だが、今日娘とリフォームの打ち合わせをしたそうじゃないか!』
少し大きめな声に…
受話器を耳から少し離す…
最知を見ると…まだ…不安そうな顔をしている―――…
今日の打ち合わせ……ヘマ多かったって…反省していたし…
何か、不手際があっての電話か?と――――…最知は、ビクビクしているのか?
「優木常務……はい、お嬢様とはいい打ち合わせが出来たと思いますが…何かありましたか?」
俺は、最知を少しでも安心させたくて…
優木常務にこちらから用件を切り出した…
『いや〜!今、丁度娘とディナーなんだが…君の話題になってな?
で、リフォームの話も聞きたいし、陣ヶ岡君…一緒にどうかな?』
え―――――…ディナーを?
最知を見ると――――…
やっぱり…常務の声が大きく…
隣にいた最知には、聞こえていた!!
