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どっちもぼっち。

第1章 みかん色に染まりたい柚と染まるきのないライム

 





「……みにくいアヒルが必死に水面下で足バタつかせることで、白鳥の真似をして何が悪いんだよ」



 訳:コミュ障内弁慶がコミュ障内弁慶を誤魔化すために、人気者のふりをして何が悪いんだよ。




「見てるひとの目に悪いよ?」



 そう言って結城はやみは自らの両手でその大きな瞳をふさいでみせた。いわゆる三猿でおなじみ見ザルのポーズ。




 俺が腹を立てているのは、こいつのこういった姿勢だ(いやポージングの事ではなくてね)。


 クラスに馴染むことのできない人種でありながら、それを隠そうともしないその姿勢。



 

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