
どっちもぼっち。
第1章 みかん色に染まりたい柚と染まるきのないライム
「……あまり調子づくなよ? だれが好き好んで、歩く猥褻物陳列罪などに触れてやるものか」
「まあ。仮に本当に、おれがセクハラ大好きセク原優くんだったとして、きさまが訴えを起こしたところで」
「『ボッチビッチごときが人気者さまへ冤罪の嫌疑をかけた刑』に処されるだけだろうがなあ、わはははは!」
さすがに業を煮やして、言い返し否定し開き直ってやった。わざとじゃないもんね不可抗力、万歳! それでもボクはやってない!
……しかし対する結城はやみは冷めた眼差しと淡白な無表情をそのままに、こちらの白々しさを誇張するかのような反応を示した。
「ああ」
「“人気者さま”だったんですか~あ」
……。
やべ、バレちったかな?
