声の魔法3
第4章 対峙
聡に手を引かれ歩き続けると小さな公園に辿り着いた。
「嫌な思いさせてごめん。」
めぐみは大きく首を横にふり、
「はっきり言ってくれて嬉しかった。」
顔を赤くして俯くめぐみが愛おしい。
ギュッと抱きしめるとこわれてしまいそう。
「好きだよ。」
めぐみは耳元で囁く聡の声に反応してしまう。
聡の背中に手を廻しギュッと抱きしめた。
「ママ〜、あのお兄ちゃんとお姉ちゃん、ママとパパみたいだね〜。ギュッてしてる〜。」
子供の声に慌てる聡とめぐみ、そして子供のママ。
「え〜っと…ごきげんよう」
そう言って子供の手を引き、ママは帰って行った。
「フフッ」
「焦ったね。」
「本当に。」
「ごめん、周り見えてなかったよ。」
「私も」
「どうする?映画行く?」
「うん、行こう。」
アクションかホラーか、恋愛物か、そんなことを話しながら映画館に向かって歩き出した。
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