
素晴らしき世界
第39章 愛と浮気のチョコレートケーキ
2人、ソファーに並んで座った。
『どこから話したらいいかな……』
その声色はどこか嬉しそうというか……ワクワクしている。
『あっ、最初に……松岡さんのパーティーの試作品づくりをしていたのは嘘じゃないですから。もし疑うんだったら今からでも……」
電話をかけようとする。
「そこまでしなくていいから」
慌ててタップしようとした手を止めた。
『信じてくれる?』
俺は大きく頷いた。
でも俺が知りたいのは、その事じゃない。
「櫻井さん……ですよね?智が気になっている事って」
和也がピシャリと俺の気持ちを言い当てる。
『付き合ってたの?和也はアイツの元に……戻るの?』
だから俺も誤魔化さず、そしてシンプルに聞いた。
そしてその答えが『イエスかノー』か。
それだけが知りたい。
すると答える前に和也が、ぷっと吹き出してまた笑い始める。
さっきもだけど……
もう、笑っている意味が分からない。
じとっとした目で和也を睨んだ。
『すみません。可笑しくってつい……櫻井さんとは付き合った事ないですよ。でも大野さんともし出会ってなければ、深い関係になってたかもしれない』
……深い関係だと?
『あ、智がが思っている関係じゃないですよ?上司と部下?いや、師匠と弟子かな』
「……えっ?」
頭の中に、はてなが飛び交う。
『実は櫻井さんのお店に就職が決まってたんです。でも、卒業してすぐに事故に遇って……就職を断念したんです』
俺の知らない和也の過去はアイツと付き合っていた過去ではなかった。
でも、安心はできない。
「じゃあ、あの言葉……『ずっといて欲しい』って何だよ」
和也にその気はなくても、アイツは違うんじゃないか?
『あぁ、それは……今からでもいいから働いて欲しいって櫻井さんに言われたんです。筋がいいから即戦力になるって……』
褒められたのを思い出したのか、嬉しそうに笑ってる。
その笑顔をアイツにも見せたの?
そして、そんなに喜んでるってことは……
「和也は……そこに行くの?」
あの時、和也はなんて返事したの?
和也は俺を見つめてにっこり微笑んだ後、唇がゆっくりと動き始めた。
『どこから話したらいいかな……』
その声色はどこか嬉しそうというか……ワクワクしている。
『あっ、最初に……松岡さんのパーティーの試作品づくりをしていたのは嘘じゃないですから。もし疑うんだったら今からでも……」
電話をかけようとする。
「そこまでしなくていいから」
慌ててタップしようとした手を止めた。
『信じてくれる?』
俺は大きく頷いた。
でも俺が知りたいのは、その事じゃない。
「櫻井さん……ですよね?智が気になっている事って」
和也がピシャリと俺の気持ちを言い当てる。
『付き合ってたの?和也はアイツの元に……戻るの?』
だから俺も誤魔化さず、そしてシンプルに聞いた。
そしてその答えが『イエスかノー』か。
それだけが知りたい。
すると答える前に和也が、ぷっと吹き出してまた笑い始める。
さっきもだけど……
もう、笑っている意味が分からない。
じとっとした目で和也を睨んだ。
『すみません。可笑しくってつい……櫻井さんとは付き合った事ないですよ。でも大野さんともし出会ってなければ、深い関係になってたかもしれない』
……深い関係だと?
『あ、智がが思っている関係じゃないですよ?上司と部下?いや、師匠と弟子かな』
「……えっ?」
頭の中に、はてなが飛び交う。
『実は櫻井さんのお店に就職が決まってたんです。でも、卒業してすぐに事故に遇って……就職を断念したんです』
俺の知らない和也の過去はアイツと付き合っていた過去ではなかった。
でも、安心はできない。
「じゃあ、あの言葉……『ずっといて欲しい』って何だよ」
和也にその気はなくても、アイツは違うんじゃないか?
『あぁ、それは……今からでもいいから働いて欲しいって櫻井さんに言われたんです。筋がいいから即戦力になるって……』
褒められたのを思い出したのか、嬉しそうに笑ってる。
その笑顔をアイツにも見せたの?
そして、そんなに喜んでるってことは……
「和也は……そこに行くの?」
あの時、和也はなんて返事したの?
和也は俺を見つめてにっこり微笑んだ後、唇がゆっくりと動き始めた。
