
素晴らしき世界
第39章 愛と浮気のチョコレートケーキ
【松岡side】
階段を降りていくと、いい匂いが漂う。
「おはよう」
『おはようございます』
食堂のテーブルには和が作った朝ごはんが並ぶ。
「おっ、だいぶ上手くなったな」
目線の先には、黄色くてふんわりしただし巻き玉子。
『松岡さんの教え方がいいんですよ』
「いんや、和の努力の賜物だ」
まぁ、あとはアイツのお陰だろうな。
『もうすぐ出来上がりますから、座って待っててください』
「おう」
少し前から和にはこっちに泊まり込みで働いてもらってる。
働くといっても、年末に向けてのパーティーの試作品作りを手伝ってもらっている。
和はメキメキと腕を上げているし、当日も手伝ってくれる予定だ。
まぁらある条件をつけられたけど。
それは『泊まり込み』でということ。
そんなに遅い時間まで手伝わすつもりはなかったのに、どうしてだろうと思って理由を聞いた。
ある場所に夜遅くに出かけるため。
理由を嬉しそうに話す和を見て、断るヤツは誰もいないだろう。
いよいよ……明日だしな。
『お待たせしました』
和が温かいお茶を入れた湯呑みを置く。
「じゃあ、いた……」
プルルッ…
何だよ、こんな朝早く……
イライラしつつテーブルにある携帯をタップした。
文句のひとつも言ってやろうと思ってたけど、状況を聞いて仕方ないと思った。
「なるべく早く行かせるから安心しろ。その代わり……おん、頼むぞ」
『どうしたんですか?』
和が心配そうな顔を俺に向けた。
「今日は朝から、店行っていいぞ」
『えっ?』
「急にパティシエの2人が休んだらしくて
ヘルプで和に来て欲しいって」
『でも、お店が……」
「心配無用。確か雅紀が大学休みって言ってたから来てもらうよ。もれなく潤もついてくるだろうしな」
『……いいんですか?』
申し訳なさそうに俺を見る。
「こっちは気にするな。それに、早く行けることに越したことはないだろ?」
『はい、ありがとうございます』
嬉しそうに笑う和。
……可愛いじゃねーか。
『じゃあ、すみません。行ってきます!」
大急ぎでご飯を食べた和は店を出た。
ここまでしてくれるアイツは幸せ者だな。
ひとり朝ご飯を黙々と食べながら、温かい気持ちに浸っていた。
階段を降りていくと、いい匂いが漂う。
「おはよう」
『おはようございます』
食堂のテーブルには和が作った朝ごはんが並ぶ。
「おっ、だいぶ上手くなったな」
目線の先には、黄色くてふんわりしただし巻き玉子。
『松岡さんの教え方がいいんですよ』
「いんや、和の努力の賜物だ」
まぁ、あとはアイツのお陰だろうな。
『もうすぐ出来上がりますから、座って待っててください』
「おう」
少し前から和にはこっちに泊まり込みで働いてもらってる。
働くといっても、年末に向けてのパーティーの試作品作りを手伝ってもらっている。
和はメキメキと腕を上げているし、当日も手伝ってくれる予定だ。
まぁらある条件をつけられたけど。
それは『泊まり込み』でということ。
そんなに遅い時間まで手伝わすつもりはなかったのに、どうしてだろうと思って理由を聞いた。
ある場所に夜遅くに出かけるため。
理由を嬉しそうに話す和を見て、断るヤツは誰もいないだろう。
いよいよ……明日だしな。
『お待たせしました』
和が温かいお茶を入れた湯呑みを置く。
「じゃあ、いた……」
プルルッ…
何だよ、こんな朝早く……
イライラしつつテーブルにある携帯をタップした。
文句のひとつも言ってやろうと思ってたけど、状況を聞いて仕方ないと思った。
「なるべく早く行かせるから安心しろ。その代わり……おん、頼むぞ」
『どうしたんですか?』
和が心配そうな顔を俺に向けた。
「今日は朝から、店行っていいぞ」
『えっ?』
「急にパティシエの2人が休んだらしくて
ヘルプで和に来て欲しいって」
『でも、お店が……」
「心配無用。確か雅紀が大学休みって言ってたから来てもらうよ。もれなく潤もついてくるだろうしな」
『……いいんですか?』
申し訳なさそうに俺を見る。
「こっちは気にするな。それに、早く行けることに越したことはないだろ?」
『はい、ありがとうございます』
嬉しそうに笑う和。
……可愛いじゃねーか。
『じゃあ、すみません。行ってきます!」
大急ぎでご飯を食べた和は店を出た。
ここまでしてくれるアイツは幸せ者だな。
ひとり朝ご飯を黙々と食べながら、温かい気持ちに浸っていた。
