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腹黒ドS王子の愛する人Another

第1章 慧×桃史の場合

「いつまでもいたらゆっくりできないだろ?また会社で話そう。」




そういうと高田はかばんを持ってじゃあなと言った。





やだ、行っちゃう......


俺のこと、嫌いになったから?
葵みたいに可愛くないから?







「い、行かないでっ......!」




衝動的に高田の服の裾を掴むと当の本人はびっくりしたようにこちらを振り向いていた。






「いても、いいから......」






また、素直じゃない言い方。






でもそんな俺に高田は優しく笑ってもう一度隣に座ってくれた。






「ん、じゃあもう少しいる。」





その言葉が思った以上に嬉しくて俺はだらしなくニヘラっと笑ってしまった。

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