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腹黒ドS王子の愛する人Another

第1章 慧×桃史の場合

「昨日の夜、慧さんが病院に兄ちゃんを運んでくれたとこに鉢合わせして、今日もお見舞いきてくれてたんだ。さっきまで一緒に話してたんだよ。」





そう言って葵が高田を振り向いてね?慧さん。と話しかけると高田は柔らかく微笑んでね?葵くん。と返した。




その笑顔は俺に向けられるぎこちないものじゃなくて、素の笑顔で、それがまた俺の胸に突き刺さる。





モヤモヤとしたまま二人を見ていると葵は立ち上がり


「じゃあ、兄ちゃん。気をつけてね!俺もう講義だから。」




と、カバンを持った。





「あぁ、ありがとな葵。」


「ん。」




そして葵はじゃあね慧さん。と声をかけて病室を出て行った。




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