テキストサイズ

腹黒ドS王子の愛する人Another

第1章 慧×桃史の場合

「今までのことは気にしなくていいわ。」





その言葉にもう一度頭を下げる。




「ありがとう、ございますっ!すいませんでした....」







「........うん。」








じゃあね、とユカさんは踵を返して何時ものように黒い髪をなびかせて歩いていく。






少し進んでもう一度彼女は振り向くと



「傷つけたくない人って北浜くんでしょ?」




と、得意そうに笑った。




そしてもう一度振り返るとそのまま歩いて行った。


その後ろ姿はやっぱり綺麗でいろんな人から尊敬される理由がわかった気がした。
































廊下を曲がってまた壁にもたれかかる。






「あーぁ、振られちゃった.......私にはもったいないくらい、いい男になっちゃったなぁ.....ていうか、あの言い方じゃ北浜くんが恋人みたいじゃない。」







私のつぶやきは誰に聞かれるわけでもなく消えた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ