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腹黒ドS王子の愛する人Another

第1章 慧×桃史の場合

「今まで、最低なことをユカさんにしてきたと思います。許してもらえないこともわかってます。それでも、傷つけたくない奴がいるんです。」






おれはあたまをさげたままそう続けた。






少しの沈黙が俺たちを包んだ。







心臓がバクバク言ってる。







少しの沈黙の後、ユカさんは口を開いた。





「.....ふふっ、いいわよ。」


「えっ....」






予想に反した言葉に顔を上げるとそこには穏やかに笑ったユカさんの姿があった。






「元々体の関係だったのを私が欲張っただけだもの。いいわよ、やめて。」





そう言うとユカさんは前髪をかきあげて笑った。




「本気で好きになっちゃったもの。もうあなたとは付き合えない。」





そう言ったユカさんは今までで一番綺麗だった。

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