
腹黒ドS王子の愛する人Another
第1章 慧×桃史の場合
「失礼します。」
2、3度扉をノックして部屋に入ればそこには笑顔の部長の姿。
「おお、よくきたね。まぁ座ってくれ。」
そう言いながら席を勧められそのまま二人で腰を下ろす。
「何かあったんでしょうか?」
そう問えばいやいや、と否定されてしまう。
「いやー、実はね。上から直々に君たち二人に新企画を担当して欲しいらしい。受けてくれるかね?」
あぁ、だから嬉しそうなのか。
「私たち二人でですか?」
俺の隣に腰掛ける北浜が複雑そうな顔をしてそう問いかける。
チッ、不満そうな顔しやがって。
そんなに俺とやんのが嫌なわけ。
「君たちの仕事ぶりはとても評価が高いからね。」
そう言って部長は俺たちの肩に手をかけた。
これはもう、断れなくね。
